映画レビュー/概要

846本目 パルプ・フィクション
1994年
監督:クエンティン・タランティーノ
主演:ジョン・トラボルタ

評価:★★★★★

◎話の展開がオムニバス形式で時系列も別れているが、話が進む度に徐々に繋がりを感じられる流れが非常に面白い。一見無駄な言い回しのように思えるが、後で理解が進むとめっちゃ楽しい。
◎こんなに無駄話と薬物と暴力と禁止ワード満載で、中身があるかと言われるとそうでもないのになんとも言えない幸福感が得られる。あれ、これってもしかして劇中の薬ヤッてる人たちと同じ感じになっているのでは……と恐怖する中毒性。
◎OPのMisirlouを筆頭に、音楽も非常に楽しめる。なんで汚いワードばかり飛び交っているのに、心地よく聞こえるんだろうか。不思議。


なんでこんなに中毒性があるのか?


クエンティン・タランティーノ作品は昔から今に至るまで濃度が高めのガッツリ系作品が多い印象がありますが、その代表作と言っても過言ではないのが本作。
人生になんて特に意義は無い。本能的に生きて何かを成しているようで何も無く、時として呆気なく幕を閉じる。そんなもんだ。
なんてことを説くつもりはサラサラ無いでしょうけど、何故か諭されている気分になってくるのは何故なのか。

サミュエル・L・ジャクソン演じるジュールスが後半で悟ったように、観ているこちらもそう引き込まれているのか。それとも鳴海が勝手にそう受け取っているのか。
結論を言うと、ぶっちゃけそんなん知ったコッチャねーよ、こんな映画にマジになっちゃってどうすんの?くらいのニュアンスなのかな、と。
まるで某ファミコンゲームのエンディングくらいの受取でも全然構わないであろうパルプ・フィクションが、なんでこんなに愛されているのかを理解できたなと言うのが個人所感の大きいところです。
じゃなきゃ、ヴィンセントあんなに呆気なく死なないでしょう……。
トイレに居ると必ず悪いことに巻き込まれる、という運命を背負った彼に対してどんな意義を感じろと?

・オムニバス形式でありながら、話の繋がりをしっかり理解でき伏線も次々と回収されていくのが絶妙に心地良い。
・徐々にとんでもない展開になりつつ、人も多くなり群像劇の様相を呈するが非常に見やすい。
・中身があるようでない。そりゃあれだけ中身の無さそうな会話と汚いセリフが飛び交ってりゃそうなる。

ストーリーの中身に感心させられた、というより構成や展開の繋ぎ方が心地よく楽しめる要素になっているため、鑑賞後の幸福感が多めなんでしょうね恐らく。

勿論主演の面々の演技についてはケチをつける余地も無いですし音楽のセンスも抜群。
最初から最後まで尻上がりに楽しさが登っていく形で、最終的にはジャンクフードを思いっきり食べた感じに満腹。

まさにハンバーガーを食べてスプライトを一気に飲み干した、というような満たされ方です。
別に高級ディナーじゃなくていい。ジャンクであっても美味しく楽しめる方であれば、本作もきっと美味しくいただけることでしょう。

あー、マック食べたくなってきた。




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